大池中学校今年度第1回目の「避難訓練」を年間予定よりも遅くなってしまいましたが、1学期の期末テスト最終日に実施計画をしていました。今回は「火災時の避難訓練」を想定しての内容です。北館(新館)1階の調理室から火災発生の緊急全校アナウンス。
避難場所としてグラウンドのテニスコート前としています。校舎から少しでも遠い場所であり、体育館がすぐ隣にあること。そして、体育館横からは校舎敷地外にも出ることができる場所であること。これは、今回の火災を想定した避難場所だけではなく、2学期スタートの9月の「防災の日に合わせた避難訓練」では、地震を想定した緊急時の避難を想定して実施します。
しかしながら、期末テスト最終日の4限目は12時を越えてしまう可能性があり、四日市市の12時段階での「熱中症警戒アラート(暑さ指数)は31℃を越える予報」が発生している現状でのグラウンド非難は熱中症リスクが高いと判断して、教室内で避難訓練の目的と教室からの避難経路の確認を担任の先生からしてもらいました。
また、学校全体の防災担当の先生から緊急時の避難に関わる注意事項と対応について校内放送にて話をしていただきました。校長からも避難訓練の総括をさせていただきました。子どもたちと先生方が一緒に「緊急時の防災・日々の防災」を考えること。子どもたちと先生方が一緒に「いのちを守る防災活動・避難訓練」について考える時間としました。
【教室内で緊急時の避難等に関わる全校アナウンスを聴く子どもたちの様子】



校長からは、以下の内容について一部抜粋して伝えさせてもらいました。大池中学校の子どもたちをはじめ、教職員も含めて、そして地域も含めて防災に対する危機意識がやや低いように思うことがあります。
大池中学校は四日市市でも高台に位置し、海からも河川からも比較的距離があり、海抜がマイナスになる地域が一つもないこと。30年以内に80%の確立で発生する可能性と危険性のある「南海トラフ地震」発生時の津波到達や河川の氾濫、決壊等が考えにくい立地となっているため、子どもたちの「正常性バイアス」や「同調性バイアス」が三泗地区内の伊勢湾近隣の学校に通う子どもたちと比較すると、その考えが根付いているようにも思います。
地震発生時の「正常性バイアス」とは、人間が地震などの災害時に、客観的な状況判断をゆがめてしまう心理的な偏りのことを言います。簡単に言うと『大池中学校は、大池中学校校区は、私たちの自宅は安心安全という「思い込み」』のことです。この思い込みは、非常に危険で、災害時をはじめとする緊急時の避難行動の遅れや、被害拡大につながる可能性が大きくあること。



だからこそ、このような事実に基づく話も交えて講評とさせてもらいました。四日市市内、大池中学校国周辺には、『養老ー桑名ー四日市活断層が走っています』。それだけではなく、あまり聞きなれないかもしれませんが、『垂坂(たるさか)活断層』が大池中学校区周辺にも大きな影響を及ぼす危険性と可能性が高い活断層があること。津波の心配はすくないかもしれませんが、四日市市内の中でもこの2つの活断層による地震の被害発生の危険度は高いこと。
校長前任の学校区では、海抜ゼロ又は海抜マイナスという場所も多くありました。子どもたちをはじめ、保護者、地域とも防災について、災害時の危機意識について本当に高く、避難訓練等の取り組みも本当にしっかりと取り組める学校を経験してきました。だからこそ、「正常性バイアス(大池中学校周辺は大丈夫という根拠のない思い込み)」を、この「避難訓練を機に・・・」子どもたちと先生たちと一緒に考える機会にしたかったというお話をさせていただきました。
これからも、「子どもたちのいのちを守る避難訓練と防災意識」を大切に取り組んでいきたいと思います。