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2025/11/19new

1年人権学習福祉講演会 ろう者と手話 見せて伝えるコミュニケーション

| by 大池中HP管理者
大池中学校の人権教育の推進。1年生では『身近な差別に気づき、個性を認め合うことにより、よりよい集団をつくろうとする態度を養う』という人権教育に関わる学年目標が設定されています。

その中でも、特に重点に置く2本柱での取り組みを進めています。その1つが「仲間づくり」です。入学後4月から「『つながりを大切にした仲間づくり』に取り組み、相手の立場を尊重する態度を育てる」ことを学年の人権の柱として様々な活動や行事に取り組んできました。

もう一つが「障がい者理解教育」の推進です。「身近にある偏見、不合理に基づく差別に気づき、互いにその解消に向けて努力する態度を育てる」ことを大切にした1年生の人権教育を推進していきます。その1つとして、四日市市社会福祉協議会の協力とご指導をいただき見出しのような内容で、先週の11月12日(水)の5限目に「福祉講演会『ろう者と手話』」という演題にて講演をしていただきました。


講師先生は、「藤田 逸穂さん」。現在は四日市ろうあ福祉会役員で元聾学校教員をされていました。普段のコミュニケーション手段は手話。手話通訳者(兼講師補助)として中根さん、松原さんにもお越しいただきました。


聴覚に障がいを持っている方は「目に見えない障がい」とも言われ、一見しただけでは聞こえる人との区別がつきません。そのため、聴覚に障がいを持っている方には、街中で困っている場合でも、なかなか気付かれにくことが多いと聞きました。もし、日常にあふれている音が、突然奪われてしまったら・・・。そんな世界を想像しながら、『見せて伝える』コミュニケーションについて考える貴重な時間となりました。

子どもたちが学んだことの中には、聴覚に障がいを持っている方は、まったく聞こえない人、補聴器をつければ少し聞こえる人、生まれつきや幼少期から聞こえない人、病気や事故などの影響で途中で聞こえなくなった人などさまざまです。また、全員が手話を使えるわけではなく、聞こえの程度やこれまでの生活によってコミュニケーションの手段も変わってきます。そのコミュニケーションの手段としての『手話』。『見せて伝える』コミュニケーションを藤田さんの講演から子どもたちが考えるきっかけをいただきました。



【1年生子どもたちの声を一部抜粋して】
■耳の聞こえない人から教わった私は、当たり前のようにまわりの音を聞いて行動したりせいかつしていたけど、その当たり前がない生活は不安で大変なことを学びました。当たり前は本当に特別なんだと教わったときに思いました。この授業で手話を教えてもらって、「ありがとう」「ごめんさい」を学べました。周りの容姿から見えない障がいや困っているときに言われないとわかんないことがたくさんあると知りました。自分たちが普段、手話の勉強を学んでなかったから助けられなかったなど、学んでないからやらないは今後やめる。そのためには「ヘルプマーク」をつけている人がいたら少しでも気にかけて行動する。話すことが難しくても、相手に伝えようとする気持ちが大切だと感じました。

■藤田さんのお話から、耳が聞こえなくて不便なことが私が意識していないところにもたくさんあると知った。まず初めに思ったことは、地震などの災害が起こったときに、サイレンや指示が聞こえないから困るのではないかということだ。もちろん、このようなことが聞こえないのは困るが、藤田さんは主に日常の生活の中で困ることが多いと訴えていた。ドライブスルーでの注文は声のみなので難しく、エレベーターの中の非常ボタンも声のみなので意思を伝えることは難し。よく考えてみると身の周りには、耳が聞こえなければ困るようなことがたくさんあるのがわかった。目も耳も聞こえない「ヘレン・ケラー」は「耳が聞こえるようになってみんなと会話がしたい」と言っていたことを知り、そう考えてみると『耳は人と交流する中で必要になってくるからこれも大事な手段』だと思った。授業の中で手話の授業を取り入れて、聴覚に障がいのある人への理解を深めるような環境が整うことが出来ればいいなと感じました。
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