子どもたちを乗せたバスは、立命館大学衣笠キャンパスの構内へ入って停車。
たくさんの大学生が徒歩で、自転車で登校してくるところに出くわしました。
そこから少し歩いて「立命館大学 国際平和ミュージアム」へ。
ここは、平和創造の面において大学が果たすべき社会的責任を自覚し、平和創造の主体者をはぐくむために設立された施設で、昨年の9月に展示室がリニューアルされました。
エントランスホールに入った子どもたちは、ボランティアスタッフのお話を聞き、
「戦争がなければ“平和”と言えるのか?“平和”ってどんな状態なのか?考えて、あなたなりの答えを見つけてほしい」
という課題をもらって見学へ…
とその前に、写真撮影。
手塚治虫さんの「火の鳥」のレリーフをバックに学級写真を撮ってから階段を降りて展示室へと向かいました。
“導入シアター”を抜けて入った空間の右側の壁面は、“年表展示”。
戦争の記憶と平和を求めた歴史から未来の平和のあり方を考える大きなストーリーライン(年表)をダイナミックに展示しています。
左側は“テーマ展示”のコーナーで、つらい戦争の記憶と向き合いながら平和を求めた人びとの活動について、テーマを設けて展示しています。
テーマは
「帝国日本の植民地・占領地」植民地ってどんな場所? どんなくらしをしていたの?
「十五年戦争の加害と被害」戦争が始まるとどうなるの?
「尊厳の回復を求めて」被害の真実を語るには何が必要?
「人間の安全保障と国際平和」私たちの平和創造宣言!
の4つです。
展示室にはいたるところにボランティアスタッフがいて、説明を読みながら展示物を興味深そうに見ているとそっとそばに来て、展示物の説明を補足してくれます。
分からないことがあったり、さらに詳しく知りたいことがあったりしたときに尋ねると、丁寧に具体的に答えてくれます。
子どもたちは、大事なことをしおりに書き留めながら、スタッフの力も借りて一つ一つの展示をじっくりゆっくり見ながら移動し、気になることがあるとしばらくその場を離れることなく、展示物に見入ったり考えを巡らせたりしていました。
出口へ向かうところには“ことば回廊”があって、平和創造のヒントとなる世界中の人びとのことばが紹介されていました。
テーマ展示の奥の“問いかけひろば”は、平和ってどんな状態か、自分なりの答えや考えを示す場所。
据えられた端末に自分の考えを入力すると、それがそのまま床に投影されていました。
班の友だちと一緒に、戦争や平和、人権について考えながら展示物を見て回った子どもたちは、エントランスホールに戻ってボランティアスタッフの皆さんに感想を伝え、スタッフの皆さんに見送られてミュージアムを後にしました。