子どもたちは宿舎で、友だちとのおしゃべりやゲームをして過ごしますが、もう一つのお楽しみが。
それは、「上方落語」の鑑賞。
落語家を大阪から招いて、落語についてレクチャーを受け、実際に落語を演じて見せてもらうのです。
お囃子に乗って林家染三さんが登場。
講座の赤い座布団に座ると、ほとんどが「落語は初めて」という子どもたちに向けて、身に着けているものや落語が誕生した時代のこと、落語そのもののことについて、子どもに問いかけながら教えてくれました。
着ているものを何と言うか問いかけられた子どもたちからはいろんな答えが。
袴、甚兵衛、浴衣…
そして、やっと出ました“着物”。
どうやら子どもたちは、特別な名前があるに違いないと思っていたようです。
それから、帯、足袋、羽織、紐。
染三さんは、どんな子どもたちの珍回答も軽くいなして返してくれるので、このやり取りにも子どもたちは大笑い。
落語については、誰もいないところに向かっていきなり話し出したかと思えば反対を向いて返答をする、一人芝居みたいなものと説明。
6年生は、顔の向きをかえながら、一人で何役もこなして演じているということは理解できますが、幼稚園児だとそうはいかないようで、落語家の問いかけやあいさつが自分にされているものだと思って返事を返してくるそうです。
このエピソードに子どもたちはまたまた大笑い。
幼稚園での光景が目の前に浮かんでいるかのようでした。
扇子や手ぬぐいといった小道具の使い方や江戸時代の時の数え方を教わったら、いよいよ落語の鑑賞へ。
お馴染みの演目「時うどん」を演じて見せてくれました。
15文しか持ち合わせがない二人が16文のうどんを1人前注文。
食べ終わって代金を払っている途中、店の主に今の時刻を尋ねることで、1文ごまかして食べるというお話。
話の後半の、友だちが支払っている様子をそっくりそのまま真似をして、自分も15文でうどんを食べようとする場面は、その人と店主の頓珍漢なやりとりに子どもたちは大爆笑。
体をゆすり「ワハハ」「アーッハハハ」と大きな声で笑っていました。
おなかが痛くなるほどに大笑いして落語を楽しんだ後、染三さんを真ん中にクラスみんなで写真を撮ってお別れしました。
「笑う門には福来る」
まだ続く修学旅行。
楽しいこと、素敵なことがいっぱい待っていることでしょう。