今年度4回目の避難訓練を行いました。
20分休みの最中に大きな地震が発生し、運動場に避難する必要があるとの想定はこれまでの訓練でも経験していますが、大きく異なるのは、いつ訓練をするかを子どもたちに知らせていないこと。
もちろんこの訓練までに、学校で、登下校中に、また家庭で地震に遭ったときの行動や大切にすることは、事前に各学級で指導しています。
2限目が終わって20分休みが始まると、たくさんの子が運動場に出てきて遊び始めました。
ドッチボール、鬼ごっこ、なわとび。
ジャングルジムや鉄棒で遊ぶ子も。
みんなが思いっきり楽しんでいたその時、教頭が慌てて運動場に出てきて拡声器で叫び始めました。
「訓練、訓練。大きな地震が発生します。その場にしゃがんで身を守りなさい」
校舎内には“緊急地震速報”が流れ、行動を指示する放送が流れたのですが、それが運動場には届かなかったのです。
子どもたちと一緒に遊んでいた教師も同様に子どもたちに声をかけて、訓練が始まったことを伝えて回ります。
ようやく、避難訓練が始まったことを理解した子どもたちは、その場にしゃがんだり“ダンゴムシポーズ”をとったりして自分の身を守る姿勢になりました。
続いて、校舎内へは放送で、運動場では拡声器で、避難場所へ移動するよう指示が出ると、子どもたちは姿勢を解いて運動場南端の第一次避難場所へと移動し、いつもの避難訓練のように並び始めました。
ピロティから、体育館と校舎の間からは、校舎内で過ごしていた子が整然と並んで歩いてきます。
減災頭巾を被っているのは、教室で過ごしていた子どもたちでしょう。
教師の特別な指示がなくても、いつもの避難経路をいつものように移動し、いつものように並び、いつものように人員点呼が進む子どもたちでしたが、残念ながらとても気になったことがありました。
それは、子どもたちの表情が緩み、私語がとても多かったことです。
現在、放送機器の切り換えに伴う調整中で、緊急避難速報と動きを校内放送が運動場に流れないというアクシデントがあったため、子どもたちに戸惑いと気の緩みが生じてしまったことが避難行動と子どもの気持ちに影響したのだと思いますが、本当の災害でも機械の故障は起こり得ることです。
と、言うことで、講評で私が子どもたちに与えた評価は、
「行動 合格」
「おしゃべり 不合格」
「気持ち 不合格」
でした。
自分の命を自分で守るために、どんな状況であっても訓練には真剣に臨んでほしい、という願いを込めて。
給食の時間、1年の教室を訪れると
「休み時間にいきなり訓練が始まったからびっくりしました」
と、話しかけてくる子がいたので
「ちゃんと避難できた?」
「慌てずに動けた?」
と問い返すと、大きくうなずきながら
「はい」
と、返事が返ってきました。
これまで訓練を重ねたことで、1年生もとるべき行動を理解し、自分で判断して行動する力がついてきたのだなと、とてもうれしく、また心強く思いました。
学校では、子どもたちの命を守るため、今日の訓練を検証して改善に努め、これからも訓練を重ねます。