先日、6年生がパラアスリートを招いて学習を行いました。
この方は小学校卒業後に病気をきっかけに身体の一部に麻痺が残り、その後自分でリハビリや自主トレを行い、現在パラ陸上や野球で活躍しておられます。
はじめは、ご自身の生い立ちやこれまでの経緯、行ってきたトレーニングなどのお話をしていただきました。

そして、みんなで体を動かす時間は、からだほぐしから始まりました。
身体の各部位のストレッチを時間をかけて丁寧に行い、最後まで終えると身体が柔らかくなり、前屈もより深くまでできるほどでした。準備段階での対応の大切さを身をもって学んだこどもたちでした。

からだほぐしの後は、『投げる』をテーマに運動しました。
まずは、身体の上下の動きを意識するために、バスケットボールを全身を使って投げる運動から。

次は、その動きをより意識するために、「できるだけ高く、天井に届くくらいのつもりで投げて」と指示を受けると、こどもたちはさらに前進を使って投げるようになりました。

続いて、身体のひねりを意識するため、膝をついたまま投げる体験です。
玉入れで使う柔らかい球を、上半身のひねりを意識して投げます。

過程を踏んで、徐々に遠く、力強い球が投げられる子が増えてきたところで、最後は体育館の前から後ろに向かって、力いっぱい投げてみました。

『投げる』ための、身体の使い方のポイントを学んだこどもたち。
傍目に見ていても投げ方が少し変わった、と感じました。
そして最後に、まとめの話を伺いました。
「まず行動!」
「時間を忘れるくらい好きで夢中になれる何か1つを見つける!」
「大きな目標設定と段階的な目標設定」
など、パラアスリートとしてだけではなく、これからこどもたちが歩んでいく上で大切にしたいヒントをたくさんいただきました。

最後に力強くおっしゃられたのは、
「自分で限界を決めることは自らの可能性をつぶすことになる。」
ということでした。
ご自身は、脳波など医学的な診断では「普通の日常生活を送れるのも不思議なほど」という状況だそうです。それでも、自ら目標を持ち、そのために学習し、基礎的なトレーニングを繰り返し行うことで、診断では考えられないほどの動きをし、アスリートとして大活躍しておられます。
この生き方に触れたこどもたちは何を感じ、自らの中に何を残し、今後に活かしていくのでしょうか。
学校ではこうした、日常生活や普段の学校生活では触れることのできない、新たな体験や学びの機会を大切に、積極的に機会を設けていきたいと考えています。