
保護者の皆さんと職員の拍手に迎えられて卒業生が体育館に入場し、定刻通りに第113回卒業証書授与式が始まりました。
保護者席の間を通って歩く子どもたちは、予行のときよりも緊張しているような表情。でも、歩みは確かで、自席に立つ姿は凛としていて、いつもより大人びて見えました。

一人ひとりに卒業証書を渡しましたが、しっかり私と目をつないで、掛けた言葉に頷きながら受け取っていきました。


式のクライマックス「旅立ちのことば」は、新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることから、やむを得ず、事前に収録したものをプロジェクターで映写する形に。
司会者が次第を読み上げると暗幕が引かれて式場は真っ暗になり、プロジェクターの光がスクリーンに当たって、「別れのことば」が始まりました。

スクリーンには、卒業生が1人ずつアップで映り、担当する台詞を大きな声で唱えていきます。(事前に運動場で収録したものを教師が編集)
式歌の合唱も、式の中ではできないので、「歩いていく」は、代表の子が分担して一人ずつ歌って集録したものを校舎の写真と歌詞を映しながら流し、「越えてゆけ」は、学年全員で行った体育館での練習(もちろん、感染対策を徹底して)を収録してあったものを映しました。
保護者と卒業生、双方の後ろに映写されているので、保護者の皆さんは、大きく映されたお子さんの顔を見ることができ、卒業生は、自分と仲間の様子を見ることができます。これは、生ではなく事前集録ならではのよさかもしれません。
映画館のような空間で、卒業生の最後のパフォーマンスを、保護者の皆さんと職員、そして卒業生自身が一緒に見るのは初めてでしたが、これが、和やかな雰囲気を作り出し、子どもたちの小学校生活をふりかえるとともに、卒業生の今の姿、今後への思いを知る、とても素敵な時間を演出してくれました。

式次第は滞りなく進み、「一堂礼」で式は終了。
笑顔の子も泣き顔の子も表情は晴れやか。
顔を上げて未来を見つめるような堂々とした姿で体育館を後にしました。

いつもとは異なる卒業式となりましたが、「コロナに負けるか」「ピンチはチャンス」を合言葉に、わずかな時間で子どもたちと教師が知恵を絞り、つくり直した卒業式。
式中の子どもたちの姿を見て、「旅立ちのことば」の映像を見て、
「よくやったぞ、日永っ子!」
「いい、卒業式だった」
「心に残る式になる」
と、保護者の皆さんが思ってくれたとしたら、校長として胸をなでおろすとともにとてもうれしく思います。

改めて、
卒業生の皆さん、卒業おめでとう。
保護者の皆さん、本校の教育活動にご理解とご協力をいただきありがとうございました。
「人生はかけ算。チャンスがあっても、君が0なら意味がない」
「『失敗』と書いて『成長』と読む」
これからも、目標をもっていろいろなことにチャレンジしてください。応援しています。