活発な読書活動
港中学校は平成26年度から平成28年度の3年に渡り、四日市市の読書活動推進校の指定を受けました。これを機に、よりいっそう読書活動を充実させるためのとりくみを進めてきました。これからも豊かな心の育成、言語活動の充実、仲間づくりを目標に読書活動を充実させていきます。

↑ 図書館司書によるブックトーク(写真左)と担任による読み聞かせ活動(写真右)


↑ ブックバイキング(写真左)とPC室との連携利用(メディアセンターとしての活用・写真右)

【参考】四日市市子どもの読書活動推進計画
 

読書活動

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2015/04/15

隅田川(3年生のコーナーより)

| by 港中HP管理者
本日、学年通信「スクラム」45号を発行しました。前期の学級役員、専門委員の一覧と共に修学旅行の主な行程を掲載いたしました。ご一読下さい。さて、修学旅行の初日には国会議事堂の見学を終えた後、「浅草」「とうきょうスカイツリー」など、隅田川の近辺に赴きます。そこで昨日と今日の国語の時間に隅田川に関連する授業を行ないました。

最初に示した教材は「伊勢物語」。平安時代の六歌仙の一人でもあり、すでに学年全員が暗唱した百人一首の十七番「ちはやぶる…」の作者としてなじみのある在原業平が主人公とされる歌物語です。その「東下り」の一節を読みました。隅田川のほとりで見慣れぬ鳥を見た業平の一行が川の渡し守に名前を尋ねると「都鳥」という言葉が返ってきます。都に愛するひとを残してきた彼はそれを聞いて感極まり「名にし負はば いざ言問はん都鳥 わが思ふ人は ありやなしやと」と詠みます。これに由来して隅田川に架かっている橋には「言問橋」という名前もついています。現在は東武鉄道の「とうきょうスカイツリー駅」となっているスカイツリー最寄りの駅も3年前までは「業平橋駅」でした。

 

左上の写真はスカイツリーから見た隅田川です。写真中央のビルに隠れている橋は「吾妻橋」。東国地方は古くから「あづま」と呼ばれ、意味の上から「東」の字が使われることが多かったのですが「吾妻」という字が当てられることもありました。この由来についても授業の中で話しましたので機会があればご家庭で話題にしてみて下さい。この橋を写真の上方に渡ると程なく右手に雷門があります。一方、右上の写真はスカイツリーの反対側(浅草駅側)の隅田公園から撮ったものです。この記事の写真は3月31日に修学旅行の下見を行なった時に味村が撮影したものですが、3月末はとても暖かい日が続き、この日は桜の真っ盛りでした。まさに「春のうららの隅田川」でした。

次に示した教材は滝廉太郎の「花」(作詞は武島羽衣)。ちょうど音楽の授業でも歌い始めたところです。国語の授業では簡単に歌詞の解釈をしました。三番の歌詞に「錦おりなす長堤に」とありますが、桜に美しく彩られたこの日、川沿いに細長く続く隅田公園を歩いていると自然にこの歌詞が頭を過ぎりました。

 

しかしながら、長堤から川を覗いてみると、「のぼりくだりの舟を進める船頭たちが、桜の花びらのようなしずくを散らしつつ櫂を操る」姿はどこにもなく、写真左上のように最新鋭の隅田川ラインの観光船が走っていました。向かいにはアサヒビールのビルが見えます。

千年以上も前に業平が見た隅田川、そして百年ちょっと前に廉太郎や羽衣が見た隅田川、その当時の姿に思いを馳せつつ、まだ下町情緒が残る浅草や現代の日本を代表する建造物「スカイツリー」を訪ねてほしいと思っています。ちなみに写真右上は仲見世通りの出口付近です。浅草寺の辺りの桜も見事でした。
14:07 | 授業のひとコマ(国語)