5時間目の道徳科の時間、3年生の学級では「二通の手紙」を題材に法やきまりの意義について考えました。話の内容は「動物園で働く元さんが、幼い姉弟の願いをかなえるため、時間外にもかかわらず入園させる。姉弟はなかなか帰ってこず騒動となるが無事であった。後日、元さんには、母からの『感謝の手紙』と管理者からの『懲戒処分』の2通の手紙が届く」というものです。生徒は元さんになって姉弟を入園「させるか」「させないか」を議論し合います。「思いやり」や「規則を守ること」等の議論がされますが、この教材のポイントとなるのは、(規則は大事だが)「これぐらいであればよいのではないか」と考えてしまうことです。法や決まりの意義を考える道徳の題材はいくつかありますが、ここでは、「きまりは大切だ」だけでなく、(規則を守らないことに対して)「これぐらいならいい」とか「正当な理由があればいい」といった(誰もが経験するような)判断にどう向き合うか考えることで、遵法精神の理解を深めていきます。その教材ならではの「ねらい」を適切に定めることが重要です。
