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2022/08/28

【南中散歩道】槿(むくげ)の花

| by 南中HP管理者
『 道のべの 木槿(むくげ)は馬に くはれけり 』(松尾芭蕉)

芭蕉は馬の上。前方に槿(むくげ)の花が咲いている。芭蕉の目はここに放心したように吸い付けられている。世界はただ一輪の槿の花だけしかない。とその時、それまで芭蕉の視界には全くなかった馬の長い口がひょこっと現れた瞬間、槿の花が消えていた。消え去った槿の鮮やかな白さが残像として前より強烈に瞼(まぶた)に映像として残っている。

【南中散歩道】槿(むくげ)の花
散歩中、木に咲いた「淡い桃色の花」を見つけました。


この花は「むくげ」と思われます。漢字では「槿」「木槿」と書きます。花は夏から秋、7月ごろから10月にかけて咲き、枝先の葉の付け根に白色、桃色、紫色など様々な色の美しい花をつけます。

花は一日花で、朝に開花して夕方にはしぼんでしまいます。ふつうは一重咲きですが、八重咲きの品種もあります。中国が原産で日本へは古くに渡来し、平安時代初期にはすで植えられていたと考えられています。

槿は秋の季語で、三重県出身の俳諧師の松尾芭蕉は「道のべの木槿は馬にくはれけり」という句を詠んでいます。また、槿の花が一日花である儚かさから「槿花一朝(きんかいっちょう)の夢」のように、人の栄華は儚いという例えにも使われます。花言葉は「信念」「新しい美」と書いてありました。
12:00 | ☆南中学校☆