国語の教科書の読書紹介にある井上靖の「天平の甍」をオープンスペースに置きました。社会の歴史学習の中で鑑真のことは習ったことと思いますが、この高僧が日本にやってくるまでには様々の苦難があったことも聞いていると思います。この小説では遣唐使と共に荒れ狂う海を越えて留学した若い僧たちが鑑真を伴って故国日本へ帰るまでの二十年に渡る苦難の日々を描いています。興味を持ったら読んでみて下さい。
作者井上靖氏はこれ以外にも大陸物としては、チンギスハンの生涯を描いた「蒼き狼」、敦煌の滅亡をめぐる物語を描いた「敦煌」などを書いていますが、今回は「天平の甍」と同じく、日本との関わりの深い出来事である元寇を題材にした「風濤」という作品を選んで置きました。元寇を題材にした小説は他にもありますが、この作品は元の先鋒として日本討伐の命を受けた高麗の視点から描いてあり、元寇をこれまでと違った角度から知ることができる作品です。こっちも興味があれば手にとってみて下さい。